なんと悲しいタイトルなんだ、と思いながらページをめくった。
祖父、恩師、友人、、、
大切な人との5つの切ないデートを綴った短編集。
「最後」が苦手な私にとって、ちょっぴり寂しくなる話ではあったけれど、最後はどのお話もほっこりして読み終えた。
なぜ、「最後」が苦手なのだろう。
何かが終わる瞬間とか、変化する瞬間が昔から苦手だ。
卒業するとき。大好きな友達が転校する時。恩師が離任する時。知り合いが亡くなった時。
無性に寂しくてたまらなくなる。お願いだから時間が止まって、巻き戻って、と祈ってしまう。
でも時間が前に前に進んでいく限り、どんなことにも終わりがくる。それを受け入れて、乗り越えて、初めてまた新しい出会いがやってくる。
気づけば3月。別れの季節。そしてもうすぐ4月。新しい出会いもやってくる。
一年で1番苦手な時期だけど、どうにか乗り越えよう。そう思った本だった。